育毛剤は、男性型脱毛症（AGA）や女性の薄毛の予防、または頭皮環境を正常に保つアイテムとして、各社から色々な商品が発売されています。医薬部外品なので、近所のドラッグストアなどで手軽に購入できるものもありますし、ネット通販でしか手に入らないものも珍しくありません。

調べてみると沢山の育毛剤がありますが、配合成分については独自にバランスを調整したり、オリジナルで開発または呼称した成分を配合したりしています。成分以外にも添加物に関する配慮や浸透技術の導入など、初めて購入される方には情報量が多く、何を買えばいいのか迷ってしまうかと思います。

この記事では、育毛剤についての正しい知識と選び方、おすすめの育毛剤（男性用）を8点紹介します。

育毛剤とは？発毛剤との違い

育毛剤について調べると、あるWEBサイトでは『育毛剤は医薬品、医薬部外品、化粧品の3種類があります。』と述べられていることもあれば、『育毛剤は医薬部外品又は化粧品に分類されます。』と記載しているWEBサイトもあります。

これについては後者の「医薬部外品又は化粧品」の定義が正しく、薬機法（医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律…旧薬事法）において明確に分類されています。

育毛剤はAGA等の薄毛進行の「予防」や現状維持に使われる医薬部外品として、発毛剤はAGA等の症状を「治療・改善」する医薬品として、それぞれ厚生労働省に認定されているのです。

育毛剤の商品ページには、育毛剤は育毛効果・発毛効果がはっきりと「ある」という印象を与えるものも少なくありませんから、消費者にとっては定義があいまいに感じられ混同しがちですが、育毛剤はあくまで「予防・現状維持」を目指すためのアイテムという事です。

自身の症状としてAGAがかなり進行しているなら、医療機関やAGAクリニックを受信して、医師の診察のもとで予防・治療の対策をすすめることをおすすめします。 「治療・改善」が必要な方は、医薬品である発毛剤の利用を検討しましょう。

育毛剤の特徴とメリット

育毛剤は、頭皮の血行を促進したり、頭皮に栄養を与えたりする効果が期待できるもので、健康的な毛髪の維持に役立ちます。健康的な髪の毛というのは、ハリやコシがあり丈夫で抜けにくい毛のことを指します。また、その他にも以下に挙げるような特徴やメリットがあります。

頭皮トラブルの予防ができる

育毛剤には様々な成分が配合されていて、毛髪の状態を維持する効果が期待できる成分以外にも、保湿成分を配合している育毛剤があります。頭皮の乾燥などのトラブルは薄毛進行の原因となる可能性がありますので、保湿というのは育毛にとって非常に重要な要因です。

育毛剤は、抜け毛予防としてだけでなくかゆみ対策やフケなどの予防改善にも使える便利なアイテムといえます。

副作用のリスクが発毛剤と異なる

医薬品の発毛剤には副作用があります。ミノキシジル内服薬は元々循環器用剤として開発されていたもので、特に高濃度のミノキシジル内服薬は、循環器系の副作用として胸の動悸、不整脈、多毛症、性欲減退といった状態を引き起こしてしまう方もいます。

また、ミノキシジル外用薬では頭皮の痒みを訴える声はネット上でも多いです。対して医薬部外品の育毛剤であれば、副作用としてこのような症状を引き起こす可能性は限りなく低いです。

万が一起こり得る副作用を敢えて挙げるのであれば、皮膚の炎症があります。頭皮のかゆみ・かぶれ、頭皮の黒ずみ、頭皮の赤みや腫れなどが代表的なものですが、もしこういった症状が出たら直ちに使用を中止して病院で診察を受けて下さい。育毛剤は医薬部外品ですが、正しい用法・用量を守って使用しましょう。

医師の診断や処方箋を手に入れる必要がない

育毛剤はスーパーで売っているシャンプーを購入するのと同じように、手軽に購入できます。医薬品の発毛剤の場合は基本、医師の診断や血液検査、処方箋などが必要なので、こういった面倒な手間が必要ないことは育毛剤のメリットです。

定期購入で毎月決まったタイミングで自宅に届く

医薬部外品の育毛剤は、その都度購入する単品購入の他に、定期コースの契約を案内している場合があります。定期コースで注文すると、単品購入よりもかなり安く購入できます。

一度契約してしまえば、例えば毎月決まったタイミングで商品が自宅に届くので、使い切るたびに買いに出たり毎回決済する手間を省けます。

育毛剤の賢い選び方・失敗しないためのポイント

自身の予算や目標、目的に合った育毛剤を手に入れるためにはいくつかおさえておきたいポイントがあります。

「有効成分」と「その他の成分」をチェックする

現在人気の育毛剤のほとんどは、すでに生えている毛髪の維持や抜け毛の予防に働きかける「有効成分」と呼ばれるものが含まれています。有効成分の機能は主に、発毛促進、頭皮環境の改善、抜け毛予防の3つです。

発毛促進の成分の一例として、センブリエキス、ニンジンエキス、パントテニルエチルエーテル、ペンタデカン酸グリセリド、アデノシン、ヒノキチオールなどがあります。

頭皮環境の改善には、グリチルリチン酸ジカリウムを筆頭に、酢酸DL-α-トコフェロール、クジンエキス、セファランチン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、サイトプリン、イソプロピルメチルフェノールなどがあります。

そして抜け毛予防については、キャピキシル、t-フラバノン、エチニルエストラジオール、冬虫夏草エキス、ノコギリヤシ、ヒオウギエキスなどがあります。抜け毛予防は言い換えると、男性ホルモンの抑制といえます。

これらの成分の配合の有無は、各商品の販売ページに必ず記載されていますが、同時に気を付けたいのは、有効成分とその他の成分を明確に区別して記載しているかです。

医薬品医療機器等法に基づき承認を受けた有効な成分だけが「有効成分」という名称をもって明確に区別して記載できるので、例え上記に挙げた成分が成分表示に記載されていても、有効成分として区別記載されていない場合は何らかの理由で認められていない可能性があります。

また、そもそも成分表記をしていない販売元も少数ですがあるかと思います。そういった商品は信頼性を欠くのでおすすめしません。

月額費用と定期コースの有無を確認する

育毛剤は1本で1ヵ月～2ヵ月の使用量でパッケージされているものがほとんどです。なかには例外もあるので、必ず1本の容量と1回ごとの使用量、そして一日何回使うのかをチェックしましょう。

また、定期購入することでかなりの割引になるので、定期購入のシステムがあるなら積極的に利用しましょう。育毛剤はほとんどの商品で定期コースがあるので、まずは定期コースをチェックするのがおすすめです。

シャンプーやサプリメントの併用は育毛剤の成分を見てから決める

一部の育毛剤では、育毛剤とセットで育毛シャンプーや（育毛）サプリメントをセット販売しているところがあります。セットだと育毛剤単品よりも割安なので魅力的ですが、月々のコストは高くなるのでしっかりと判断したいところです。

育毛シャンプーというのは「育毛」という文字が付いているので育毛効果があると思われがちですが、育毛剤と同じく、あくまで予防と現状維持の効果が期待できるものであり、発毛効果を認められているものではありません。

ただし、育毛シャンプーと銘打っているものは、スーパーなどで売っているシャンプーよりも頭皮環境に良い、刺激が少ない成分が含まれている「アミノ酸系」シャンプーであることがほとんどなので、使用するメリットはあるかと思います。

サプリメントも同様に、「育毛サプリ」と銘打って販売されているものもありますが、あくまで「栄養補助食品」という位置づけです。

返金保証の条件を確認しておく

育毛剤は「1ヵ月（～3ヵ月）使用して効果を実感できなければ商品代金を全額返金」と謳っている会社がほとんどです。正直1ヵ月程度では効果実感について判断が難しい部分はありますが、少なくとも使用感や頭皮トラブルのリスクヘッジとして活用できるので、返金保証の有無は要確認です。

一般的には、返金保証を利用するには商品を購入した際の履歴（領収書）、商品（返送するため）、返金保証の書類が必要で、返品の送料や返金にかかる振込手数料は自身で負担する必要があります。

使用感や頭皮への影響などは要観察

育毛剤は液体の配合成分に違いがあるので、使用感にも違いがあります。育毛剤のなかにはベタついた感じを抑えたサラサラタイプのものや無香料のものなどがあり、使用感に配慮した商品があります。使用感が悪いと継続の妨げになるので、できれば避けたいです。

また、敏感肌・乾燥肌の人は添加されているアルコールに注意が必要です。アルコールが多く配合されている育毛剤を選ぶと肌が荒れたりしてしまいます。肌荒れを避けるには保湿成分を十分に配合している育毛剤を選ぶことをおすすめします。

さらに、頭皮への影響だけではなく使いやすさも気を付けたいポイントです。スポイトで塗布するので液漏れの心配があるタイプもあれば、ジェット噴射で手軽に塗布できるタイプもあるので、事前に形状のチェックや口コミのチェックなどをしておくとより良い選択ができるでしょう。

おすすめの育毛剤8選 比較

※全て税込価格

おすすめの育毛剤8選

ここからは、人気の育毛剤の中から、特におすすめの商品を10アイテム選んでみました。価格や基本情報だけではなく、おすすめポイントやどのような方に向いているかなどをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

育毛剤の使い方

ここからは、育毛剤の一般的な使い方をご紹介します。あくまで手順をイメージする説明なので、商品の取扱説明書に従って用法・用量を守って正しく使用してください。

頭皮の汚れを落とす

皮脂やほこりなどの汚れは、育毛剤の成分が浸透するのを妨げてしまう可能性があります。そのため、育毛剤を使用する前に汚れをきちんと落としましょう。

シャンプーをするときには、よく泡立ててから指の腹を使って頭皮をマッサージするように洗うのがポイントです。

また、朝は汚れが少ないため、べたつきや臭いが気になるときのみシャンプーをするとよいでしょう。

ドライヤーで髪と頭皮を乾かす

髪や頭皮を濡れたまま放置していると、雑菌が繁殖しやすいので頭皮環境を悪くしてしまいます。そのまま育毛剤を使うと、髪や頭皮に残った水分で薄まり、効果を十分に発揮できなくなることも考えられます。

シャンプーの後はタオルで大体の水気を取ったら、ドライヤーを使って髪と頭皮を乾かすようにしましょう。

育毛剤を頭皮に直接つける

育毛剤は髪の毛に対しては効果を発揮しません。育毛剤を使うときには、髪をかき分けるなどして、なるべく頭皮に直接つけるようにしましょう。

用法・用量を守って6ヵ月以上の継続使用をする

育毛剤は少なくても効果を発揮しませんし、つけ過ぎると悪影響となってしまうこともあります。用法用量を守って続けて使うようにしましょう。

また、実際に効果を実感できるまでには平均して3〜6ヵ月ほどの期間がかかるため、成果を焦らずじっくりと続けて使用していくことが大切です。

育毛剤の利用と一緒に薄毛・抜け毛ケアをする

抜け毛や薄毛を改善したいのであれば、育毛剤の使用だけでなく、生活習慣の見直しも大切です。

薄毛や脱毛を防ぐためには、以下のことを意識して生活をしましょう。

• バランスの良い食事
• 質の良い睡眠を取る
• 帽子や日傘を使って、紫外線から髪を守る
• 頭皮マッサージをする

参考：第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」

【番外編】おすすめ発毛剤

育毛剤で「予防・現状維持」をするのではなく、「治療・改善」を目指している方は、医薬品である発毛剤の利用を検討しましょう。

ここからは、おすすめの発毛剤をご紹介します。おすすめポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

育毛剤のよくある質問

Q. 育毛剤に副作用はある？

A．必ずではないですが、使いかたによっては副作用を伴う場合があります。

具体的な症状としては、頭皮の炎症やかぶれ、赤みなどです。こうした副作用を防ぐためにも、用法用量を守って正しく使用することが大切です。

Q. 値段の高い育毛剤は効果も高い？

A．値段の高い育毛剤が効果が高いとは限りません。

商品価格の内訳には、パッケージ代や広告宣伝費などの料金も含まれているため、必ずしも価格と成分の良さとが比例するわけではないからです。

育毛剤の効果を発揮するには、自分自身の症状を理解し、それに合った成分がきちんと含まれる育毛剤を選択することが重要です。

Q. 育毛剤の効果を実感できるまでの期間はどれくらい？

A．今回ご紹介した育毛剤の多くは、効果を実感するまでの期間は「平均的には3〜6ヵ月程度」としています。

これには、毛周期と呼ばれる毛の生え変わりサイクルが関係しています。頭髪の毛周期は、成長期(3〜5年)、退行期(2〜3週間)、休止期(3ヵ月)があり、育毛剤の効果があるのは休止期にある毛に限られます。

休止期にある毛は頭皮の表面に出てくるまでに3ヵ月、それが伸びて効果を実感できるまでにもう3ヵ月の計6ヵ月ほどの期間がかかります。育毛剤は使い始めてすぐ効果が出ないからと諦めるのではなく、少なくとも6ヵ月間は根気よく継続して使用することが大切です。

Q. 育毛剤を一定期間使い続けても、効果が感じられなかったら？

A．育毛剤を正しく使い続けても効果を感じられなければ、AGAクリニックの受診を検討しましょう。

男性ホルモンが原因で起きる「男性型脱毛症（AGA）」による抜け毛・薄毛は、育毛剤では治療できません。

一部のAGAクリニックでは無料カウンセリングを実施しています。すぐに契約をする必要はないので、一度自分がAGAに該当するのかどうか、話を聞いてみるのも良いでしょう。

まとめ

育毛剤はとにかく毎日塗布するものなので、ストレスなく続けられるかというのが最大のポイントです。

使用感や定期便の割引率、返金保証などのお得な情報、そして、効果の部分とは全く関係はありませんが、パッケージのデザインなども比較情報として大切にしても良いかと思います。ぜひ気になる育毛剤を試してみましょう。