「ダイエット」と聞くと辛い食事制限や運動を思い浮かべる方が大半ではないでしょうか。効果が感じられず、リバウンドを経験している方もいるかもしれませんね。
ダイエットに失敗してしまった方にオススメの治療が、痩せる薬を使ったメディカルダイエットです。しかし、薬を使ったダイエットと聞くと、身体への影響や安全性を心配する声も聞かれます。
本記事ではメディカルダイエットの概要から、メディカルダイエットの種類や特徴、デメリットや費用相場についても現役看護師が詳しく解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
メディカルダイエットとは
メディカルダイエットとは、医療機関で行うダイエットの総称です。「医療痩身」や「ダイエット外来」と呼ばれることもあります。メディカルダイエットで使用する薬は「ダイエットピル」と呼ばれ、1950年代から登場した医薬品です。
現在使用されている「サノレックス」は1992年に、「ゼニカル」は1999年に厚生労働省より承認され販売されている薬です。20年以上使われ続けている安全性の高い薬であるといえます。
メディカルダイエットの特徴
メディカルダイエットは、医学的に根拠のある方法で、安全性の高い薬剤を使用して体質を改善していきます。医療機関が管理している薬を用いて、医師のサポートを受けながら進める安全かつ確実性の高いダイエットです。
過度な食事制限や運動を行うことなくダイエット効果が得られるという特徴があります。 具体的にどのような方法があるのでしょうか。次から紹介していきます。
ダイエット注射(αリポ酸200mg+L-カルニチン)
ダイエット注射はαリポ酸200mgとL-カルニチンを主成分とした注射です。
αリポ酸は脂肪内のミトコンドリアへブドウ糖を届け、新陳代謝を促進し体脂肪の増加を抑えます。また抗酸化力に優れており、アンチエイジングにも効果があると言われています。
L-カルニチンはミトコンドリアへ脂肪酸を運び、燃焼させる際に働く成分です。もともと体内で作られている成分ですが、加齢と共に減少していきます。
防風通聖散
おなかの皮下脂肪が多く、便秘がちな人の肥満症に飲んで効く漢人薬です。18種類の生薬からできており、肥満だけでなく肩こりやむくみ、ふきでもの(ニキビ)などにも効能・効果があるとされています。
ゼニカル
スイスの製薬会社Roche社で開発・製造された肥満治療薬です。日本では未承認ですが、アメリカの政府機関FDA(米国食品薬品局)にも認可され、世界中で広く利用されています。 ゼニカルは脂肪の吸収を抑制する効果があります。
BBX
タイのFDA(食品医薬品承認局)が許可するダイエットサプリメントです。以下の作用により食欲抑制やカロリーカットで体重減少を目指します。
ストレスによる食欲増強を抑制
ストレスを感じると体内でホルモンの一つコルチゾールが分泌され、栄養が足りているにもかかわらず偽の空腹感が湧きます。BBXに含まれるL-チロシンとL-テアニンはコルチゾールが増えるのを防ぎ、過食を抑えてくれると言われています。
摂取カロリーを約50%カット
BBXに含まれる白インゲン抽出物(デンプンの消化を妨げる)、海藻抽出物(糖分・脂肪の消化を妨げる)、オプンティア・フィカス・インディカ抽出物(脂肪の吸収を妨げる)の成分により、摂取カロリーを抑えてくれると言われています。
メタソーブ
ダチョウの卵から精製した卵黄加工パウダーが入っているダイエットサプリメントです。ブラックジンジャー、白いんげん種子、キャンドルブッシュエキスなどの成分も配合されています。国産のため安全性が高く、小粒で飲みやすいのも特徴です。
メディカルダイエットの効果
メディカルダイエットで得られる効果は大きく分けて次の3つです。
食欲抑制
食欲に関係するホルモンや神経に働きかけて食欲を抑えます。そもそもの摂取量を減らすことでダイエット効果を高めています。
「サノレックス」や「BBX」がこれに当たります。
脂肪の吸収を防ぐ
体内に取り込まれた食べ物は消化酵素リパーゼによって分解・吸収され脂肪となります。リパーゼの働きを妨げることによって、体に吸収される脂肪を減らしているという仕組みです。
「ゼニカル」、「メタソーブ」にリパーゼ阻害効果があります。
基礎代謝の上昇
30代から年々太りやすく痩せにくい体になるのは代謝の低下によるものです。代謝を上げることで、同じ運動をしても多くのカロリーが消費でき、老廃物も排出しやすい体になります。「ダイエット注射」や「防風通聖散」、「サノレックス」にこの効果があります。
メディカルダイエットをオススメする人
メディカルダイエットがとくにオススメの人は下記になります。
ダイエットが持続しない人、運動をなるべくしたくない人はメディカルダイエットを検討してみましょう。
メディカルダイエットに危険性はある?
安全性を考慮された薬やサプリメントですが、リスクはゼロではありません。ネットで痩せ薬を購入して、偽物や粗悪品であったという事例もあるほどです。自己判断で市販品を購入し、自身の状態や他の薬との組み合わせによってはトラブルを引き起こす可能性もあります。
必ず医師の診断を受け、用法・用量を守ってメディカルダイエットを行っていきましょう。副作用やトラブルのリスクを下げるだけでなく、最大限のダイエット効果を得るためにも重要です。
副作用がある
大きな効果が期待できるメディカルダイエット。薬である以上副作用が出る可能性も。副作用を理解したうえで、対応を医師と相談しながら行っていきましょう。
吐き気、胃のむかつき
内服開始初期にみられる症状です。継続していくことで症状の改善が見込まれます。持続する場合はクリニックに相談しましょう。
低血糖
食欲抑制剤を服用した際に、めまいやふらつきを感じる場合があります。
排便回数の増加、下痢、便失禁
リパーゼ阻害薬を使用した時に、便と一緒に脂質が排出されるために起こります。 脂溶性ビタミンが不足する可能性が高く、サプリメントの併用や野菜の多い食事をオススメします。
アレルギーが出る可能性
薬品であれば誰でもアレルギー反応が出現する可能性はあります。とくにメタソーブは卵から生成しているため、卵アレルギーの人は内服できません。
メディカルダイエットをオススメしない人
メディカルダイエットは医師が診察を行いながら、継続的に実施していくダイエットです。下記の人は、痩せすぎや臓器に障害が出現してしまう可能性があるため、メディカルダイエットはオススメできません。
メディカルダイエットのQ&A
メディカルダイエットに関するよくある質問をまとめました。
メディカルダイエットのの料金相場はいくら?
メディカルダイエットは種類によって相場も違います。ほとんどの場合、自由診療となるので、価格はやや高額となります。
種類 | 価格 |
ダイエット注射 | 2,200~5,500円(1回)×月4~8回 |
防風通聖散 | 5,000~7,000円(30日分) |
ゼニカル | 16,500~23,000円(1日3回×28日分)※ |
サノレックス | 16,000~22,0000円(1日1回×28日分) |
BBX | 13,000~15,000円(30錠) |
メタソーブ | 12,100円(120粒) |
ダイエット注射でどれくらい痩せるの?
ダイエット注射は、週に1回程度行うのが有効とされています。体質を改善し、痩せやすい体を目指す注射であり、注射後すぐに劇的な効果が現れるわけではありませんが、数か月後に効果を実感する人が多いです。ダイエット注射単体ではなく運動や食事などと合わせて行っている人が多く、目標とするものも人それぞれなので一概には言えませんが、ダイエット注射によって効果が出やすくなった、維持が楽になったという声は多いです。
防風通聖散で本当に痩せますか?
防風通聖散に配合されている18種類の生薬には大きく3つの効果があります。一つ目は脂肪の分解・燃焼を促進する効果。2つ目に体内に入った脂質の吸収を抑制する効果。そして3つ目が便秘改善作用で、脂質を便と一緒に排出する効果です。この3つの作用によって、主にお腹まわりの脂肪を落とし、余分な脂質を便と一緒に押し出し肥満症を改善します。
ゼニカルを飲むとなぜ痩せるのですか?
ゼニカルの有効成分「オルリスタット」には、食事で体内に取り込んだ脂肪分を吸収分解する「リパーゼ」という酵素の働きを弱めることで、脂肪が体内へ吸収されるのを抑制する効果があります。摂取した食べ物に含まれる脂肪の吸収を約30%抑制し、そのまま体外への排出を促す黄河が期待できるのです。油っこい食事が好きな人には効果的な内服薬です。
サノレックスを飲むとなぜ痩せるのですか?
サノレックスに含まれる有効成分「マジンドール」が脳内の視床下部にある食欲中枢に作用します。空腹を感じにくく、少量の食事でも満腹感が得られるため食事摂取量を減らすことが可能です。また身体の代謝を促進する効果もあるので、有酸素運動を組み合わせることによって、より効果の高いダイエットとなります。
BBXの効果的な痩せる飲みかたは?
BBXは通常1日1錠。目的別に効果的な飲み人があります。 食欲を抑えたいとき:食後 食欲を抑える作用は、成分が吸収されてから約2時間後と考えられえています。次の食事までにお腹が空いてしまうという人は食後に飲むのが効果的です。 摂取カロリーをカットしたいとき:食事の30分前 カロリーカットの作用が期待できるのは、BBXの成分が小腸から吸収される約30分後です。朝昼夜の中で最も多い食事の30分前に飲みます。
メタソーブを飲むとなぜ痩せるのですか?
ダチョウの卵から抽出する卵黄加工パウダーには「抗アミラーゼ抗体」、「抗ラクターゼ抗体」、「抗リパーゼ抗体」が含まれています。これらの成分が糖質や脂質の分解を妨げ、体内への吸収を抑えます。他に配合されている成分には以下の効果が期待でき、リバウンドしにくい身体づくりをサポートしてくれます。
メディカルダイエットは保険適用できる?
日本の公的医療保険制度は主に病気とケガの医療に対して適用されます。メディカルダイエットは、「メディカル(医療)」と付きますが、目的は美容であるため、自費診療となってしまうのが現状です。健康保険の適用にはならないため注意しておきましょう。高度肥満(BMI35以上)の場合のサノレックスや、一部医師が必要と診断した場合の防風通聖散は保険適用となることがあります。
メディカルダイエットのまとめ
ダイエットと一言で言っても、なりたい姿・目標や悩み、体質は十人十色です。自己流や流行りのダイエット法ではうまく行かなかった人も、医師と相談しながら進められるメディカルダイエットであれば、きっと効果を感じられるでしょう。
また現在ダイエットを頑張っている人も、メディカルダイエットを取り入れることでより効果的に体質改善が可能となります。
メディカルダイエットについて気になった人や、さらに詳しく知りたい人は、ぜひ当院のカウンセリングに足を運んでみてください。
新宿三丁目クリニックの処方薬剤・治療の料金
防風通聖散 | ゼニカル | サノレックス | BBX | メタソーブ | |
---|---|---|---|---|---|
種類 | 医薬品 | 医薬品 | 医薬品 | サプリ | サプリ |
価格 | 3,500円/箱 | 11,500円/30CP | 7,500円/15錠 | 9,800円/30錠 | 12,500円/120錠 |
効能・効果 | 肥満症、便秘、尿量減少、むくみ、のぼせ、肩こりなど | 体に吸収される脂質の量が約30%もカット | 食欲をおさえ、また体の消費エネルギーを促進したり、代謝をよくする | 食欲抑制効果に加え脂肪の吸収を抑える | 余分な脂肪や炭水化物の吸収を抑制する |
副作用 | 下痢や吐き気、肝臓機能の異常、頭痛や発熱などの症状 | 軟便や油性便、脂肪便、放屁回数の増加、油の放出など | 口渇感、便秘、吐き気、嘔吐(おうと)、睡眠障害、胃部不快感、発疹、かゆみなど | 稀に軽度の下痢や虚脱感、喉の渇きなど | 気分不良、肝機能障害など※卵アレルギーのある方は服用できません。 |
超強力サポートコースの料金
コース名 | 内容 | 料金 |
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短期集中(2週間目安) | サノレックス10日分+ダイエット注射2回+水素点滴2回(血液検査) | 10,000円 |
1ヶ月 | ファスティング二日+サノレックス24日分+ゼニカル×4錠 +ダイエット注射2回+水素点滴2回(血液検査) ※ | 30,000円 |
ストイック | ファスティング二日+ゼニカル×4錠 +サノレックス24日分+ダイエット注射4回+マルチビタミン注射4日分 +水素点滴4回(血液検査) ※ | 50,000円 |
メタボ改善(男性用) | 防風通聖散+肝機能改善ダイエット注射×4 ※ | 10,000円 |